活用範囲が多岐に渡るボトックスは、様々な種類の美容整形施術で使用されています。人気の治療には張り出したエラをボトックスで改善する小顔整形もあり、これは筋肉質の咀嚼筋をスリム化することで顔を小さくするのが特色です。その効力は素晴らしく、咀嚼筋の肥大が著しいだけでエラ骨の形状が正常なら、メス不要のプチ整形とはいえ外科手術なみの効果を期待できます。また、小顔治療と同様に高い人気を誇るのがシワの解消治療で、目元や眉間それに額といった年齢由来の気になる表情ジワの発生を防いでくれるのです。現存するシワを消すのとは違い、シワを発生させる表情筋を動かなくする治療のため、表情を強く作ったとしてもシワが現れにくくなります。それ以外でも整形治療にはマイクロボトックスがあり、これは筋肉へ作用させるボトックス治療と違い、薬剤濃度は比較的薄いのが特徴です。小顔整形やシワ治療と同様に、注入部位は主に顔ですが、筋肉へは打たず肌に対して浅めに注射していきます。注入面積は総じて広範囲で、細かく打っていくことで顔に生じた微細なシワの改善が図れるのです。この治療を受ければ肌の表面が滑らかになり、開いた毛穴も引き締めてくれるので、若々しい美肌が目指せるようになっています。
マイクロボトックスなどを除き、ボトックスの優れた美容効果は、概ね筋肉へアプローチすることで実現しています。ただし具体的にはアセチルコリンの放出阻止を基本作用としており、筋肉に対して直接影響を与えている訳ではありません。とはいえアセチルコリンは脳から下された動作命令を各筋肉へ伝達する働きがあるため、これが放出されない限り筋肉は脳の動作命令を受け取れない仕組みになっています。つまりボトックスの関与を受けた筋肉組織は、スマホで例えれば圏外になるため、脳の指令を受信できずに動かなくなるのです。動かなくなるという言葉尻から硬直をイメージするかもしれませんが、実際はその逆で、筋肉は弛緩しています。力を入れてガチガチに固まっているのとは異なり、脳の指示が来ないので、筋肉は力を入れずに緩んだ状態です。筋肉は使わないと縮む特性がありますから、小顔整形ではこの基礎原理を応用してエラを小さくしていきます。そして、この弛緩効果を肩こりの解消に活用したのが肩こりボトックスであり、緊張状態にある筋肉へ注射して硬直を解き、こりを改善させる訳です。しかし美容に興味がない人は美容整形クリニックでこの治療を受けられることを知らない場合が多いため、ある意味でマメ知識にもなっています。
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